『マリオネットカンパニー』
(…け…て…)

……?
光沙の町を歩いていた俺は、
何かが聞こえたような気がして足をとめた。
……気のせいか?

(助…け…て…。)

…マリオネット…?
声を頼りに辿り着いたのはゴミ捨て場だった。
そこにボロボロになり、完全停止したマリオネットがいた。

 というプロローグで始まる、(株)マイクロキャビンより、
グラフィックデザイナー「川口洋一郎(さあぺんと)」シナリオ「瀬田哲也」の手により
1999年5月にPS、Win版が。1999年10月にはDC版が発売された、
マリオネットと呼ばれる少女型ロボットをパーツの交換と会話によって成長させる、育成型恋愛シミュレーションゲームです。

 主人公は会社に勤めながらマリオネット技術者を目指す為、
師匠である天徳ゆうき(年齢不詳ながらものすごいプロポーションの持ち主)からマリオネットのパーツ製作の依頼を受け、
工学レベルを上げる事により、高度なパーツを製作する事が出来るようになります。
 日々のコミュニケーションやイベント(マリオネットにアルバイトをさせる)等により、
助けたマリオネットのハート(感情)を育てていく(KIZUNA値を上げる)のが目的です。
 工学レベル3段階、KIZUNA値3段階、それぞれ独立して3段階のエンディングを見ることが出来ます。

 マリオネットのパーツの総数は非常に多く、その組合せは…いくつなんだろう?(^_^;
アルバイトの内容によって高度なパーツに交換する必要があり、その為に主人公の工学レベルを上げていく必要が出てきます。
 また、パーツには耐久力があり、アルバイト等のイベントで壊れてしまう事もあります。
そうなるとマリオネットは行動不能状態になってしまうので、そうならない様に…。

 そうしてイベントを進めるうちに、最初は機械的だったマリオネットの表情や話し方、
そしてハート(感情)が、どんどん人間に近づいていくのを見ていると、もぅ、たまらなく幸せな気分になれます。(⌒‐⌒)
(マリオネット役の声優の前田千亜紀さんが最高にハマッテます。)

 やはり(何が?)、主人公を取り巻く個性的な女性(人間)3人が登場しますが、
その中でも今野園子嬢がまた…(プレイしてみてチョ (^.^) )
 3人それぞれとのエンディングもあり、その選択肢により一度では全てのイベントはとてもじゃないけど見れません〜。

 1回のプレイには結構時間がかかる(特にパーツ関係で)ので、
根気は必要だと思いますが、単なるギャルゲーの枠を超えたゲームです。
未プレイの人は是非!(チョッと持ち上げすぎか?(^.^; )

『マリオネットカンパニー2Chu!』
 翌2000年5月には続編「マリオネットカンパニー2chu!」が、
プレイステーション、ウィンドウズ、ドリームキャストで発売されました。
 
 「マリカン1」のシミュレーションの比重が高く、
1回のプレイタイムが長い昭和40年代の仮想世界の日常を描いた物からがらりと変わり、
マリオネットのコンストラクションの部分が簡単になり、ライトな感じになったのですが、
何より学園恋愛物に大変身した事が1番の変更点でしょう。

 マリオネット部に所属する主人公は学校の倉庫に保管してあった2体のマリオネットを発見し、
同じ部員のアレサと共に修理し目覚めさせる。
 「マリオネットにも心がある」と主張する主人公と、「そんなものは無い」と言うアレサ。
主人公は自分の考えが正しいと信じマリオネット「マリン」と接しながら、
アレサ,みかん,ゆな,ななみ,そしてもう1体のマリオネット「マリア」らと2ヶ月を過ごし、
それぞれの女の子とのエンディングを迎えます。

 「マリカン1」の6ヶ月から見るとプレイ時間はだいぶ短くなってますが、
マリオネットのコンストラクション,コミュニケーション,そしてアルバイト。
と、限られた時間の中でやる事は沢山あり、プレイの密度は高くなったと言えるでしょう。
 また、女の子によっては、単独シナリオでエンディングを迎えられる子と、
マリンのように他の子とのシナリオがキーとなって絡んでいる子がいて、一筋縄ではエンディングを見る事は出来なくなってます。
(特にマリンにはエンディングが6種類用意されていて、普通にプレイしているとエンディング「3」以下しか見れません。
ベストの「1」、グッドの「2」を見るにはある試練(と言って良いでしょう)を乗り越えなければなりません。)

 前作のファンからはストーリーが前作から引き継いでいる以外、
システム等全てが変わって色々意見が有りましたが、完全な続編では無く、
まったく新しいマリオネットカンパニーとして、初めての人にはその世界に入りやすく、
楽しくプレイ出来るゲームに仕上がっていると思います。